野菜の栄養素について

タンパク質、脂質、炭水化物を3大栄養素といいます。3大栄養素は主にエネルギー源となります。3大栄養素にビタミン、ミネラルを加えたものを、5大栄養素といいます。ビタミン、ミネラルは3大栄養素が体内でエネルギー源として機能できるようにサポートし、生理作用がスムーズに行われるように調整します。ビタミン、ミネラルは体内で作ることができないので外部から摂取する必要があります。野菜はビタミン、ミネラルを豊富に含んでいるので魅力的といえます。5大栄養素に食物繊維と水を加えたものを7大栄養素といいます。食物繊維は消化できない物質であるが、血糖値の上昇を妨げたり、便秘解消に役立ちます。また、抗酸化作用をもつフィトケミカルやビタミンに似た物質であるビタミン様物質を野菜は含んでいます。バランスよくいろいろな野菜を食べることで、さまざまな栄養素を摂取し健康な生活をおくりましょう。

3大栄養素

タンパク質

タンパク質はエネルギー源となるだけでなく、体の組織を作ります。タンパク質は体内で分解され、アミノ酸となります。このアミノ酸を基にして、筋肉、臓器、皮膚、髪へと様々な組織へ再合成されていきます。

主な野菜  豆類

脂質

脂質とは水に溶けず、クロロホルムなど有機溶媒に溶ける物質です。エネルギーを最も多く作りだすだけでなく、細胞膜の構成成分であり、粘膜や皮膚にとって不可欠なものです。ビタミンA、D、E、Kは脂溶性ビタミンであり、脂質がないと吸収できません。一般に油といわれるものは、油に含まれている脂肪酸の種類によって効果が異なることがわかっています。オリーブ油に含まれるオレイン酸は悪玉コレステロールを減らします。亜麻仁油に含まれるα‐リノレン酸は高血圧を予防します。動物性脂質は多く取り過ぎると、心筋梗塞や動脈硬化を引き起こしやすくなります。

主な野菜  ナッツ類

炭水化物

摂取すると体内でブドウ糖に分解されます。ブドウ糖はエネルギー源となります。特に脳のエネルギー源ともなるので、ブドウ糖が欠乏すると、頭の働きが鈍くなります。通常、炭水化物は砂糖として摂取するか、でんぷんとして摂取することが多いです。

主な野菜  いも、豆、米、小麦

ビタミン

ビタミンA(脂溶性)

植物中ではカロテンとして存在し、体内でビタミンAに変換されます。皮膚や粘膜を強化し、カゼやウィルス感染を予防します。また、目の健康を保つ役割があります。

主な野菜  しそ、モロヘイヤ、にんじん、ピーマン、かぼちゃ、ほうれんそう

ビタミンB1(水溶性)

炭水化物を分解するのを助けます。ビタミンB1が不足すると、エネルギー源であるブドウ糖が生成されず、疲れやすくなります。さらに脚気になるので注意が必要です。

主な野菜  豆類、いんげん、にんにく

ビタミンB2(水溶性)

脂質をエネルギー源に変えるときに必要になります。目、皮膚、口の中の粘膜を正常に保つ働きをします。不足すると、口内炎、肌荒れ、眼精疲労を起こします。

主な野菜  きくらげ、モロヘイヤ、しそ、パセリ

ビタミンC(水溶性)

強い抗酸化作用を持ち、コラーゲンの合成に関与します。動脈硬化、ガンのリスクを減らし、また美容効果も期待できます。熱に弱いので調理法を工夫するとよいでしょう。

主な野菜  パセリ、ブロッコリー、トマト、レモン

ビタミンE(脂溶性)

強い抗酸化作用を持ち、老化を抑制し、若さを保つビタミンといわれています。肩、首の凝り、冷え性を改善します。

主な野菜  らっかせい、かぼちゃ、バジル

ビタミンK(脂溶性)

血液の凝固と凝固の抑制を助けます。出血を止めるのに必要になります。

主な野菜  納豆、パセリ、ほうれんそう、こまつな

ミネラル

カルシウム

骨、歯を形成します。不足すると骨粗しょう症をまねきます。また、ストレス解消の効果があります。

主な野菜  ちんげんさい、おくら

血液の成分となります。赤血球は酸素を運ぶ役割を持っているため、不足すると貧血、疲労感、思考力の低下を招きます。ビタミンCと一緒に摂取すると吸収効率が高まります。

主な野菜  ほうれんそう、そら豆、春菊く

カリウム

細胞内と細胞外の塩類濃度の調節に関与します。さらに神経伝達や筋肉の弛緩と収縮を正常に保ちます。

主な野菜  大豆、枝豆、さといも、やまいも

その他

マンガン、リン、亜鉛、マグネシウム、クロム、銅、コバルト、モリブデン、セレン、ヨウ素などがある。

食物繊維

食物繊維は人の消化酵素では消化できない成分の総称です。つまり排泄されてしまう物質です。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。前者は体内でゼリー状になり、糖の吸収を阻害し、血糖値の上昇、コレステロールの吸収を抑制します。後者は体内で膨張し、腸の活動を活発することで、便秘やガンを予防します。

主な野菜  グリンピース、ごぼう、しそ

フィトケミカル

植物特有の化学物質で、抗酸化作用の強いものをいいます。主に、色素、香り、苦み、渋みの成分です。抗酸化作用が活性酸素の働きを抑制します。細胞が傷つくことを防ぎ、ガンのリスクを低減します。フィトケミカルの効果や必要性はわかっていない部分が多いです。

ポリフェノールにはアントシアニン(なす、レッドオニオン)、ケルセチン(アスパラガス、ブロッコリー、玉ねぎ、モロヘイヤ)、イソフラボン(大豆、もやし)、クロロゲン酸(ごぼう、じゃがいも、なす)があります。

カロテノイドにはα‐カロテン(かぼちゃ、とうがらし、にんじん、グリンピース)、β‐カロテン(にんじん、ほうれんそう、小松菜、水菜)、リコピン(トマト)、ルテイン(ブロッコリー、トウモロコシ、キャベツ、ほうれんそう)があります。

硫黄化合物には硫化アリル(にんにく、あさつき、玉ねぎ)、アリシン(にんにく、にら、ねぎ)、イソチオシアネート(カリフラワー、わさび、キャベツ、小松菜、白菜)、スルフォラファン(ブロッコリースプラウト)があります。

テルペン類にはイソボルネオート(春菊、ごぼう)、ペリルアルデヒド(大葉)があります。

ビタミン様物質

ビタミン様物質はビタミンに似た働きやビタミンの働きを助けるものをいいます。体内でも合成される成分でビタミンP(そば)、U(キャベツ)、Q、リポ酸、コリンがあります。ビタミン様物質は効果や必要性などわかっていない部分が多いです。

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